離婚の財産分与で家を分ける3つの方法とローンが残っている場合の分け方を解説!

離婚の財産分与で家を分ける3つの方法とローンが残っている場合の分け方を解説!

離婚の財産分与では、さまざまな財産を公平に分ける必要があります。財産の中でも、家の分け方は特に悩むところでしょう。

離婚時における家の財産分与について、多くの方が知りたいのは下記の内容かと思います。

  • 家はどうやって財産分与をすれば良いのか
  • 家をもらった側には税金がかかるのか
  • 家を渡す側に税金はかかるのか
  • 頭金はどう計算すれば良いのか

上記4つのポイントを中心に「離婚時における家の財産分与」についてまとめています。家の財産分与について疑問を抱えてる方の参考にしていただければと思います。

離婚の財産分与で家を分ける3つの方法

通帳

離婚の財産分与で家を分ける方法は、主に3つあります。ここでは、その3つの方法を詳しく解説します。

単純に共同名義で分ける

もっともシンプルなのは、単純に共同名義で分けることです。共同名義で分ける場合「持ち分」を決めます。

持ち分とは、不動産を複数の人が所有する場合、誰が、どのくらいの割合で持つかを示すもの。
引用:持ち分|SUUMO

共同名義は分けるのは簡単ですが、その後の権利関係が複雑です。売却や賃貸、リフォームなど何を行う際にも共有者の承諾が必要になり、非常に厄介です。

このため、離婚の財産分与でも特殊なケースを除けば、共同名義で分けることはおすすめできません

片方が家を手にし、片方が他の財産を手にする

片方が家に住み続けたい場合、片方が家を手にし、もう片方が他の財産を手にする分け方ができます。この方法のメリットは、不動産の所有権を単独名義にでき、シンプルです。

しかし、財産を公平に分けるのはやや難しいことがデメリットです。トータルで公平な財産分与になるよう、現金や他の財産を組み合わせた調整をする必要があります

家を売却し、現金で折半する

もっとも公平な財産分与をしやすいのは、家を売却する方法です。家を売却して得た現金を、財産分与の割合でシンプルに分けます。

この方法には「家を売るのに時間がかかる」「家に住み続けられない」という難点があります。
しかし、「平均的な期間で売れれば良い」「家に住むつもりがない」という夫婦にとっては、デメリットはほとんどありません

離婚の財産分与で家を分ける際に確認する4つのポイント

チェックポイント

離婚の財産分与で家を分ける際には、確認するべきポイントが主に4つあります。ここでは、その4つのポイントについて説明します。

住宅ローンの契約内容と残債

住宅ローンの契約内容も、正確に把握する必要があります。把握するべき内容は「名義人・保証人・残債・月々の返済額」です。

いずれも基本的な内容であるため、夫婦間で把握できていることも多いでしょう。

しかし、あらためて正確に把握する必要があります。

財産分与の対象となる期間

財産分与の対象となる期間は、結婚していた期間(婚姻期間)ですが、別居期間は対象外となるのが一般的です。

財産分与は,(1)夫婦が共同生活を送る中で形成した財産の公平な分配,(2)離婚後の生活保障,(3)離婚の原因を作ったことへの損害賠償の性質があると解されており,とくに(1)が基本であると考えられています。
引用:財産分与|法務省

「共同生活」とあるため、別居期間は財産分与の対象期間に含まれにくいのです。弁護士会も、下記のように述べています。

本件では別居時に婚姻関係は破綻しているとみて、以下では別居時にある財産をみることにしましょう。
引用:熟年離婚に伴う財産分与|弁護士会の法律相談センター

このように別居期間は財産分与の対象にならないため、別居していた場合はその開始時期を特定する必要があります

不動産の価格

不動産の価格も把握しておく必要があります。この価格次第で「財産をどう分けるか」が変わります。

  • 家が高く売れるなら、売って現金で分けたい
  • 高く売れないなら、自分が住みたい

上記のように、不動産の価格によって夫婦双方の希望が変わることは多いでしょう。
価格の目安を事前につけるには、不動産の一括査定サイトを使うのが便利です。

不動産の一括査定サイトについては、下記の記事で詳しく解説しています。

不動産一括査定のメリットとデメリットとおすすめの3つのサイトも紹介!

特有財産の有無と金額

特有財産とは、共有財産ではない「夫婦片方の財産」です。特有財産は不動産でもそれ以外のものでも、財産分与の対象にはなりません。

夫婦の一方が婚姻前から持っていた財産や、婚姻中に自分の名前で取得した財産(相続や贈与など)は、特有財産といわれ、財産分与の対象とはなりません。
引用:財産分与の対象となる夫婦の財産とは?|神奈川県弁護士会

家に関しては、特有財産の代表的なものは頭金です。頭金がある場合の財産分与の計算方法は後述しています。

離婚で家を財産分与する場合の税金は原則かからない

税金

離婚によって家を財産分与した場合、家をもらう方も分与する方も、税金は基本的に課されません。しかし、例外的に課税されるケースもあります。

ここでは「なぜ課税されないのか」「例外的に課税されるケースはどのようなものか」を、税金の種類別に解説します。

贈与税(もらう方)

贈与税は、不動産や現金などなんらかの財産をもらった人に対してかかります。しかし、財産分与で家をもらっても、もらった側に贈与税がかかることは基本的にはありません。

離婚により相手方から財産をもらった場合、通常、贈与税がかかることはありません。
引用:離婚して財産をもらったとき|国税庁

財産分与でもらえる財産は「もともともらう権利があるもの」であり、なんらかの利益を手にしたわけではないためです。しかし、下記のケースでは利益を得たことになり、課税されるケースもあります。

  • 財産分与のレベルを明らかに超えている
  • 不動産の価値が購入時よりも値上がりしている

財産分与のレベルを確実に超えている場合は「財産分与を装って贈与税を脱税しようとしている」とみなされることもあります。また、不動産の価値が上がったのであれば、その上昇分が利益とみなされ、課税されることがあります

不動産取得税(もらう方)

不動産を新たに手に入れると「不動産取得税」がかかります。しかし、離婚の財産分与では一般的に課税されません。

不動産取得税とは
土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得したときに、取得した方に対して課税される税金です。(中略)ただし、相続により取得した場合等、一定の場合には課税されません。
引用:不動産取得税|東京都主税局

離婚の財産分与は、太字の「一定の場合」に入ります。ただし、その不動産が夫婦の共有財産であることが条件です。

離婚で共有財産を分けることについては、ここまで書いてきた通り課税の対象外です。その財産の種類が現金でも不動産でも、ルールは変わりません。

譲渡所得税(渡す方)

不動産を渡す方についても、譲渡所得税はかかりません。まず、下記の国税庁による説明を見てください。

財産分与が土地や建物などで行われたときは、分与した人に譲渡所得の課税が行われることになります。
この場合、分与した時の土地や建物などの時価が譲渡所得の収入金額となります。
引用:離婚して土地建物などを渡したとき|国税庁

「課税」の部分だけ見ると、税金がかかるように見えるでしょう。しかし「時価」と「収入金額」という単語に注目してください。

時価はそのままの意味で「その時点での不動産の価格」です。そして、収入金額とは売上を意味します。

譲渡所得の収入金額は、土地や建物の譲渡の対価として買主から受け取る金銭の額です。
引用:土地建物を売ったときの収入金額に含める金額|国税庁

太字の部分が「売上」を意味しています。たとえば1,000万円で建てた家を800万円で売ったら、売上は800万円です。

そして、200万円損しているので利益は0円です。譲渡所得税は利益がなければ課税されません。そのため、通常の居住用不動産の売却では、譲渡所得税が課されるケースが、もともと少ないのです。

離婚の財産分与でも「利益が出れば課税される」ものの、実際にはその利益がほとんど出ません。そのため、譲渡所得税も原則発生しないのです。

なお、財産分与で利益が出るケースとは、不動産の価値が値上がりしていたケースです。値上がりしていなければ、分与する側は「さらに多くの現金を分与する」必要がありました。その分与をせずに済んだ分が「利益」と判断されます。

ローンが残っている家を離婚で財産分与するには?

住宅ローン

家のローンが残っている状態でも、離婚での財産分与はできます。ここでは、その方法やポイントをまとめます。

どのような割合で分けるか話し合いで決めよう

離婚の財産分与では、プラスの財産だけでなく、住宅ローンなどのマイナスの財産(負債)についても分け合うのが原則です。このとき、どれだけの割合で返済を負担するかは、話し合い次第です。

話し合いがもつれた場合は、裁判所の調停などで割合を決めます。この調停を財産分与請求調停といい、申し立てるには、以下のような書類を裁判所に送ります。

申立書出典:財産分与請求調停の申立書|裁判所

話し合いがもつれない限りは、どのような割合で負担を分けることも自由です。

保証人の名義から外れるには金融機関との交渉が必要

夫婦の片方が保証人や連帯保証人になっている場合、その名義から自由に外れることはできません。金融機関と交渉し、外れることを許可してもらう必要があります。金融機関は「保証人がいる」ことを信頼して、融資をしているためです。

基本的に、保証人を外すだけというのは認められません。多くのケースで代わりの保証人を立てることを要求されます。

離婚の財産分与で家の頭金はどう計算する?

札束

家を買うときには、夫婦のどちらか、あるいは両方が「頭金」を出していることがあります。この頭金の財産分与をどうするかを解説します。

頭金を出した方の「特有財産」になる

「片方が頭金を出した」という場合、そのお金は「婚姻前から持っていた」か「片方の親などが出した」ことがほとんどです。いずれの場合も、夫婦が共同で築いた財産ではありません。

このような財産は共有財産ではなく、夫婦片方の特有財産となり、財産分与の対象外になり、分ける必要はないわけです。

物件価値と同じ下落率で金額を計算する

頭金は特有財産として自分のものですが、支払った当時の金額は戻ってきません。たとえば、購入した自宅の価値が、離婚までに50%下落した場合、頭金も50%で戻ってきます。

このルールは、下記の文章の「現在の評価額」「割合的に引き算する」などの表現でもわかります。

購入時の頭金等、代金の一部分を親などが出してくれたという場合は、現在の評価額に占める特有財産を割合的に引き算する必要があります(後略)
引用:財産目録の作成方法|裁判所

たとえば、2,000万円で購入した物件の時価が、離婚時に1,000万円まで下落していたとしましょう。そして、購入時に妻が頭金を300万円出していたとします。

この場合、離婚時に妻が返還してもらえる頭金は150万円です。すべての数字を表でまとめたのが下表です。

1. 購入時の物件価値 2,000万円
2. 離婚時の物件価値(1.が50%下落) 1,000万円
3. 購入時に出した頭金 300万円
4. 離婚時に戻ってくる頭金(3.が50%下落) 150万円

頭金を差し引いた後は、通常どおりの財産分与を行います。仮に1:1で分けるとしたら、以下のような計算です。

1. 離婚時の物件価値 1,000万円
2. 離婚時に戻る頭金 150万円
3. 頭金を引いた物件価値(1.-2.) 850万円
4. 半分ずつ分ける場合の価値(3.÷2.) 425万円

このケースでは、頭金を出していた妻の方は425万円+150万円で、575万円を手にします。そして、頭金を出していなかった夫の方は、425万円を手にするという計算です。

まとめ

家

離婚の財産分与で家を分ける際のルールは、それほど難しいものではありません。ルール自体は簡単ですが、「双方の話し合いがスムーズに進むかどうか」が、大きな課題です。

また、家を売却する場合はより「高く売る」ことを重視しましょう。家をどのように分けるとしても、家が高く売れることは夫婦の双方にとってプラスです。

文中で紹介した不動産一括査定などのサービスも利用しつつ、離婚時の財産分与においても、少しでも家を高く売れるようにしましょう。

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