不動産の仲介業者と買取業者の違いは何?状況別でどちらを使った方が良いのかも解説します

不動産の仲介業者と買取業者の違いは何?状況別でどちらを使った方が良いのかも解説します

不動産を売却する際の選択肢はいくつかありますが、おそらく多くの人が取れる選択肢は、

  • 不動産仲介会社に依頼し、購入希望者を見つけてもらう
  • 不動産会社に直接買い取ってもらう

この2つです。つまり、仲介業者を介して売却するか、買取業者に買い取ってもらうかの2択ですが、どのような状況でどちらを選択するべきなのか分からない人も多いでしょう。

今回は、不動産仲介業者と買取業者の違いについて詳しく解説していきます。

不動産仲介業者と買取業者の違い

まず簡単に不動産仲介業者と買取業者の違いを解説していきます。

  • 不動産仲介業者:相場通りの金額で売れる可能性は高いが、買い手が見つかるまで時間がかかるケースが多く、更に仲介手数料もかかる
  • 不動産買取業者:不動産業者が買い取ってくれるので、売却決済スピードはかなり速い。ただし、売却価格にはそれほど期待できない

上記で説明した通りですが、更に分かりやすくまとめると「仲介業者は高く売れるが時間がかかる」「買取業者は早く売れるが売却価格が低くなる」となります。ここから詳しく解説していきます。

不動産仲介業者の特徴

まず、不動産仲介業者の特徴を解説します。

不動産仲介業者とは、「売却したい不動産を購入したい個人や法人を代わりに探してきてくれる会社」と考えてもらうのがイメージとしては分かりやすいでしょうか。流れとしては、売主と仲介業者間で媒介契約を結び、売主の代わりに営業活動を行い、買主を探してくれます。

媒介契約は3種類あり、

  • 一般媒介契約:同時に複数社と契約する事が可能ですが、状況報告の義務はなく、自由に販売活動をして良い
  • 専任媒介契約:同時に契約できるのは一社のみで、状況報告の義務がある。また、媒介契約締結後7日以内に不動産流通機構(レインズ)に登録する義務があり
  • 専属専任媒介契約:同時に契約できるのは一社のみで、状況報告の義務がある。また、媒介契約締結後5日以内に不動産流通機構(レインズ)に登録する義務があり。自分で買い手を見つけても、仲介を入れる必要があり(自己発見取引の禁止)

となっています。一般媒介契約の場合は仲介業者は自由に販売活動しても良いが、専属専任媒介契約は積極的に販売活動をして、買い手を見つけてくれやすくなると考えられます。

この媒介契約について簡単に理解した上で、仲介業者の特徴を見ていきましょう。

住みたい人がいればすぐに売れる

まず、不動産仲介業者の場合は、「その物件を欲しいと思ってくれる人が見つかるまで売れる事はない」のですが、逆を言えば、「住みたい人が見つかれば一瞬で売却できます」。

例えばですが、「都心人気エリア駅近のタワーマンション、日当たりも良く間取りも階数も好条件」という欲しい人が沢山いるような不動産であれば、仲介業者でも時間をあまりかけずに売却する事は可能です。

ですが、この全く逆の、「郊外で駅から遠いボロボロの築古戸建。日当たりも悪く間取りも住みにくい」という不動産ですと、住みたい人を見つける事が困難なため、不動産仲介業者を通して買い手を見つけるのも同様に難しいでしょう。そんな時は買取業者を選択肢として考えるべきであると言えます。

希望通りの金額で売れる

不動産仲介業者に売却依頼をする時に、希望の売却価格を伝える事ができます。その売却価格は自分が本当に売りたい金額を伝えるので、その価格で買いたい人が現れれば、希望通りの金額で売る事ができます。

もちろん、高くすればするほど買い手を見つけるのは難しくなり、安くすればするほど買い手を見つけるのは簡単になります。「売却価格を優先するのか」「買い手を見つけるまでのスピードを優先するのか」どちらを取るのかは、引っ越しや新居の状況などによって選択するべきではあります。

仲介手数料がかかる

不動産仲介業者では、売主の代わりに売却活動をしてくれますので、買い手を見つけて売買契約が締結すると、その活動に対して手数料を取られます。これがいわゆる「仲介手数料」です。

仲介手数料は、宅地建物取引業法によって不動産会社が受け取る事のできる仲介手数料の上限額が決まっており、それは以下の通りです。

取引額 報酬額(税抜)
取引額200万円以下の金額 取引額の5%以内
取引額200万円を超え400万円以下の金額 取引額の4%以内
取引額400万円を超える金額 取引額の3%以内

※仲介手数料は消費税の課税対象なので、別途消費税がかかります。
出典:物件売却時の仲介手数料について | 公益社団法人 全日本不動産協会

不動産の売却価格は、もちろんエリアや間取りにもよりますが、2,000万~3,000万級の売却価格は全然あり得ますので、仲介手数料もそれなりの金額になります。後述しますが、不動産買取業者で売却する場合は仲介手数料がかかりませんので、この差額は売却前に検討した上でどちらを選択するのかは熟考するべきでしょう。

担当者による差が大きい

不動産仲介業者では、媒介契約を結ぶ際に必ず担当者が付き、担当者とやり取りして売却活動を進めていきます。担当者も言ってしまえば会社員ですので、ある程度の数字のノルマがあり、どれだけ多くの仲介手数料を得る事ができるのかで営業成績となります。

どれだけ腕のある担当者かどうかで結果が変わってしまうのは残念ながらあり得る話です。

「どうやって腕のある担当者についてもらえるのか?」という疑問が浮かんできている人もいるかもしれませんが、これは残念ながら「見極める事はできません」。なぜなら、不動産の売却という人生に2度も3度も起きるような事柄ではないので、不動産営業を何人も見極めるという経験をした事のある人はなかなかいないからです。

ではどうするべきかと言うと、「腕のある/なしにかかわらず、営業を頑張ってくれる状況」を作る事が大事です。結局、人と人のコミュニケーションの上に媒介契約を結びますので、担当に頑張ってもらう状況を作るしかないのです。

具体的に言えば、「媒介契約は出来る限り専属専任媒介契約にする」「売却する不動産の思い出を語る」「担当者と密にコミュニケーションを取る」などです。これが実際どれほど効果があるかは、担当者にもよりますし、数値化出来るものではないので、やってみない事には分かりません。ただ、何もやらないよりはやれることは何でもやりましょう。

瑕疵担保責任の義務がある

不動産を仲介業者を通じて売却すると、瑕疵担保責任の義務が生じます。

瑕疵担保責任とは、売却した不動産に「隠れた瑕疵」が存在していた場合、売主はその瑕疵についての損害を賠償する責任がある事を言います。

「隠れた瑕疵」とは例えば、

  • 柱が破損していたり腐敗しているなど、欠陥住宅だった
  • 雨漏れがしていたり、シロアリ被害がある
  • 違法建築だった
  • 近所に迷惑な住民が住んでいる
  • 周辺に暴力団の事務所がある
  • 当該不動産内で自殺や殺人事件が起きている

などです。物理的な瑕疵だけではなく、環境的瑕疵、精神的瑕疵の場合でも損害賠償請求を負う可能性があります。

これは、買主側からすると、説明されていたものとは違うものを購入されている訳ですから、その責任を誰も負わないのであれば売主はみんな瑕疵を隠して売却してしまうことになり、それを防ぐ為に出来た法律です。

瑕疵担保責任は売買契約締結後、2年程度で契約するケースが多いですが、売主、買主双方が納得するのであれば、どれくらいの期間まで瑕疵担保責任を負うのかはある程度自由に取り決めする事は可能です。

不動産買取業者とは

続いて、不動産買取業者の特徴を解説します。

不動産買取業者は、売主の不動産を直接買い取る不動産業者です。不動産投資法人であったり、リフォームして再販する業者であったり、土地活用をして駐車場経営やトランクルーム経営をする会社など、様々な会社が存在します。

決済スピードがとても速い

不動産買取業者の大きなメリットとも言えるのは、「決済スピードがとても速い」事です。仲介業者では、「売主」「仲介業者」「買主」の3人が存在するのに対して、買取業者の場合は「売主」「買主」しか存在しません。

また、当該不動産において、その不動産をいくらで買うのか提示されるのみで、交渉のやり取りもそれほど多く発生しませんし、売買価格で双方が納得したらすぐ決済になります。不動産買取業者とのやり取りですと、売りたいと思ってから1週間後には売却成立という事もザラにあるのです。

事故物件や訳あり物件でも売却できる可能性が高い

所有している不動産で自殺や他殺が起きたり、欠陥住宅や白アリ被害などが起きてしまったものは、「事故物件」や「訳あり物件」とも言われます。そういった不動産に住みたいと考える人は多くはないので、仲介業者を通して売却しようとすると、買い手がなかなか見つからない事もよくあります。

しかし、不動産買取業者の場合だと、そういった訳あり物件でもすんなり売却出来てしまう可能性もあります。それはなぜかというと、事故物件や訳あり物件を専門的に取り扱う買取業者があるからです。

事故物件や訳あり物件を取り扱う買取業者は、一度買い取って綺麗にリフォームしたり、建物を取り壊して綺麗な土地に戻して土地活用をするなど、その先の活用方法があるからこそ、少し割安になっている訳あり物件でも好んで購入します。出口がはっきりと見えているからこそ、売却困難な訳あり物件でも売却できるのは、買取業者の強みとも言えるでしょう。

仲介手数料がかからない

買取業者の場合は、買主と売主の間に誰もいないので、仲介手数料がかかりません。

これは考えてみれば当たり前の話ですが、前述した通りで不動産の仲介手数料はそれなりの金額になる事が多いです。それが丸々なくなるのは大きいでしょう。

売却価格が安くなる可能性がある

仲介手数料がかからないという話のすぐ後ではありますが、不動産買取業者に売却する場合、不動産仲介業者を使うよりも売却価格が安くなる可能性があります。

これにはいくつかの理由がありますが、買取業者はその後に売却する際に瑕疵担保責任を負ったり、一回不動産を所有する事に対する諸経費がかかったりするので、ある程度リスクを背負っているからです。不動産買取業者は、売却価格が多少安くなっても良いから、すぐにでも現金が欲しい方や、なかなか売れない訳あり物件を保有している方におすすめの選択肢ともいえるでしょう。

状況別でどちらを選択するべきか

「どんな状況になったら、どちらを選択するべきなのか?」悩んでいる人も多いのではと思います。ここでは、状況別でどちらを選択するべきなのか解説していきます。

時間がかかっても良いから高く売りたい

「どんだけ時間がかかっても良いから、少しでも高く売りたい」という方は、不動産仲介業者がおすすめです。理由はここまで説明してきた通りです。

もちろん、そう考えるのも悪い事ではないのですが、「不動産は時間が経てば経つほど、価値が落ちていく」というのも頭に入れて考えなければなりません。築年が古くなり、建物の外観に汚れが増えていき、雨風に吹かれて柱が弱っていく・・などを考えれば、当然の事でしょう。

不動産仲介業者で媒介契約を結んでいるが、なかなか売れない

これは状況にもよるのですが、不動産買取業者を選択肢のひとつとして持っておくのも良いでしょう。

エリアや間取りも人気とはいいがたい不動産で、不動産仲介業者からも全く連絡がないのであれば、担当者がそんなに乗り気ではない可能性も考えられます。そんな時は、買取業者に電話をし、買取で出せる査定金額を聞くのが良いでしょう。

まとめ

不動産仲介業者と買取業者の違いをまとめました。

簡単に結論をまとめると、

  • 時間がかかってでも高く売りたいなら不動産仲介業者
  • とにかく早く不動産を手放したいなら不動産買取業者

となります。

引っ越しや新居の購入など、状況に応じて自分に合った不動産業者を見つけてください。

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