「戸建は売りにくい」
そんな言葉を聞くこともありますが、戸建に対する需要は一定数あり、「戸建を早く売るためのポイント」さえ押さえておけば早く売れます。
では、戸建を早く売るための方法には、どのような方法があるのでしょうか?いちばん簡単な方法は「各不動産に特化した方法で売却を目指す」ことです。
そもそも不動産と一口にいっても、土地のみの売却を目指すのか、マンションを売りたいのか、戸建を売りたいのかによって、早く売るためのポイントはまったく異なります。
売却を目指す不動産が違えば、ターゲットも変わってきますし、売り方も変わってくるのは当然です。
そこで今回は、「戸建を早く売りたい!」と考えている方に向けて、
- 戸建はポイントさえ押さえれば早く売れる
- 「とにかく早く売りたい」のであれば、「売り方」を考えてみるのも良い
- 戸建を売却したあとに忘れがちな「税金」に要注意
以上のことについて詳しく解説します。最後に、絶対に忘れてはいけない「税金」についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
戸建を早く売るためにやるべき4つのポイント
戸建住宅を早く売るためにやるべきことは4つです。
- 複数の不動産会社へ査定を依頼すること
- 近隣住宅との境界を明確にしておくこと
- 見た目に気を使うこと
- 値引き交渉は慎重に行うこと
上記4つのポイントを押さえ、買い主のターゲットを明確にし、そのターゲットに刺さる売却方法を行えば早く売れるでしょう。
戸建の購入希望者のほとんどはファミリー層です。ファミリー層を想定しながら、戸建を早く売却する4つのポイントについて見ていきましょう。
ポイント①複数の不動産会社へ査定依頼
複数の不動産会社へ査定依頼を出すことで「早く高く売れる可能性」が高まります。1社や2社など、査定依頼先が少ないと比較検討ができないためです。
複数の不動産会社へ相談して、
- 熱心な担当者がいること
- 戸建住宅販売実績が豊富であること
- 他の不動産会社よりも査定価格が高いこと
などを総合的に判断して、不動産会社を決定してください。なかでも、戸建を早く売るためには「戸建住宅販売実績が豊富であること」は最重要項目でしょう。
不動産売買を専門として行っている不動産会社でも、得意とする不動産が異なります。
たとえば、投資用マンションの販売に力を入れている不動産会社に依頼するよりも、戸建住宅の販売に力を入れている不動産会社のほうが早く売れるでしょう。
なぜなら、「戸建住宅の売り方」を知っているからです。
先にも解説しましたが、不動産を売る際には、ターゲットを明確にしておくことが大切です。
投資用マンションを購入しようとしている人と戸建住宅の購入を検討している人であれば、売り方やセールスポイントが違うのは当然です。
投資用マンションを探している人に、戸建住宅は売れませんし、逆もしかりです。そのため、戸建を早く売るためには、複数社の不動産会社へ依頼したほうが良いでしょう。
ポイント②近隣住宅との境界を明確にしておく
近隣住宅との境界を明確にしておくことで、買い主に「安心」を与えられます。
そもそも建物は、所有している土地に100%の建物を建てることができません。
そのため、空いている土地があるのは当然であり、土地の境界が曖昧なままでは、近隣住民とのトラブル発生原因になります。
戸建という高い買い物をするにもかかわらず、トラブルの種があるとなれば、早く売れない可能性もあるでしょう。
そのため一般的には、戸建や土地を売るときには、境界を明確にしておく必要があります。
売却活動前に境界を明確にしておけば、買い主からの安心感も相まって、早く売れる可能性が高まるでしょう。
ポイント③「見た目」に気を使う
戸建に興味を持たれた方がいれば、必ず内覧に訪れます。内覧に訪れた際に、戸建の外観や庭、室内の見た目が悪ければ素敵な戸建であっても購入されないかもしれません。
そのため、「見た目」に気を使うことはとても大切です。
また、売り主が住みながら売却活動を行っている場合でも、見た目に気を付けていれば早く売れる可能性は高くなるでしょう。
なぜなら、リアルな生活を見られ、購入後のイメージがしやすくなるためです。
なかには、お金をかけてホームステージング(居住空間を演出)する人もいるほどです。
つまり、お金を一切かけることなくホームステージングができるのです。ただこれも、「見た目」が悪ければまったく意味がありません。
購入希望者の内覧があるときは、すこし着飾るくらいがちょうど良いでしょう。
ポイント④値引き交渉は慎重に
「早く売りたいから価格を安くする」
「早く売りたいから値下げ交渉にすぐに応じる」
これらは時として、悪い結果になり早く売れなくなってしまうこともあります。素敵な戸建であれば、値下げをしなくても買い手が見つかります。
また、安売りは物件の価値を自ら下げているのと同じです。
購入希望者が値下げ交渉を行ってきたときに、売り主が自信満々に「この価格でなければ売却しません」といい、魅力を伝えることでその価値を見出せることもあります。
もちろん、ケースバイケースですが、安易に値引き交渉に応じることが良いとは限りません。
ただし、どうしても早く売る必要があり、購入希望者が「〇〇万円値下げしていただけたら、絶対に購入します」というのであれば、応じても良いでしょう。そうでなければ慎重な判断を心がけてください。
とにかく早く売りたいのであれば、契約方法や売り方に着目!
「戸建をとにかく早く、1日でも早く売りたい!」と考えているのであれば、「売り方」を変えてみると良いでしょう。戸建を早く売る方法は下記などがあります。
- 一般媒介契約で契約を締結する
- 不動産買取制度を利用して早く売る
- 更地に戻して売る
上記いずれかの方法であれば、戸建を早く売れる可能性は高くなるでしょう。それぞれ、早く売れる仕組みについて見ていきましょう。
一般媒介契約の締結で早期売却を目指す
戸建を売るためには、不動産会社と媒介契約を締結します。この媒介契約には、3つの種類があり、それぞれで自由度が異なります。
媒介契約 | 自分で見つけた相手との取引 | 複数社との契約 | 物件登録義務 |
---|---|---|---|
一般媒介契約 | ○ | ○ | 義務なし |
専任媒介契約 | ○ | ☓ | 契約日から7日以内 |
専属専任媒介契約 | ☓ | ☓ | 契約日から5日以内 |
上記のように、一般媒介契約がもっとも自由度が高い契約です。一般媒介契約であれば、複数の不動産会社へ依頼できるため、不動産会社同士が競い合い、結果として早く売れる可能性が高まるでしょう。
また、物件登録義務(レインズへの登録義務)はありませんが、義務がないだけであって希望すれば可能です。そのため、一般媒介契約であっても、レインズを通して多くの人の目に留まる可能性があるでしょう。
買取制度を利用して“安く早く”売る
不動産買取制度を利用すれば、最短1週間程度で売却できることもあります。この買取制度とは、不動産会社に不動産を売却する方法であり、不動産会社が戸建を一度買取、そのうえで買い主を探すので決済スピードはとても早いです。
一方で、決済金額が通常の80%程度が相場である点がデメリットといえるでしょう。
通常の売却価格が3,000万円であれば2,400万円程度の買取となります。
戸建などの不動産は、数千万円を超える取引が一般的であるため、買取制度を利用すると数百万円単位で「損」をしてしまうこともあるでしょう。
損を承知で「とにかく早く売りたい」と考えているのであれば、不動産買取制度も検討してください。
築古戸建なら土地にして早く売る
築年数が経過した戸建を早く売りたいのであれば、思い切って「土地のみ」にして売ってしまっても良いでしょう。
「売却を検討している戸建に、住み続けるならリフォームが必要」
「立て替え前提で戸建を売っている」
上記に該当するのであれば、更地にしてしまったほうが早く売れる可能性が高いでしょう。もしも、戸建として早く売りたいのであれば、リフォームして売っても良いです。
建物を解体するにもリフォームをするにも費用はかかりますが、結果として早く売れるのであれば検討する余地はあるでしょう。
売って終わりではない!戸建売却後の確定申告や税金は忘れずに
無事に戸建が売却できたあとは、確定申告を忘れてはいけません。【売却価格-取得費(戸建を購入したときの価格)】がプラスになれば、譲渡所得として所得税や住民税の支払いをしなければいけません。
【売却価格-取得費(戸建を購入したときの価格)】がマイナスであれば、申告をする必要はありませんが、戸建売却時に必要となる税金がいくつかあります。次に、戸建売却時の各種税金と確定申告の方法等について見ていきましょう。
戸建売却後に発生する各種税金
戸建売却後に発生する税金の種類は下記の通りです。
- 登録免許税
- 印紙税
- 所得税
- 住民税
所得税や住民税は【売却価格-取得費(戸建を購入したときの価格)】の結果、プラスになった場合のみです。
戸建の売却や取得費については、細かいルールが定められていて解説しきれないため、ここでは割愛します。基本的には、「プラスで確定申告」「マイナスなら確定申告は不要」と考えておけば問題ありません。
つまり、プラスにならなければ所得税も住民税も課税されませんので安心してください。
一方で、登録免許税や印紙税は必要な税金です。登録免許税は、戸建の移転登記を行う際に支払う税金です。
税額は、取引内容によっても異なりますが、売買した戸建の所有権移転登記であれば、不動産評価額の1,000分の20です。
印紙税は、不動産譲渡契約や建設工事請負契約を締結する際に必要な税金です。契約書に印紙を貼る形で納税し、納税額は下記の通りです。
記載金額 | 不動産譲渡の契約書 | 建設工事請負の契約書 |
---|---|---|
500万円を超え1,000万円以下 | 10,000円 | 10,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 20,000円 | 20,000円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 60,000円 | 60,000円 |
1億円を超え5億円以下 | 100,000円 | 100,000円 |
5億円を超え10億円以下 | 200,000円 | 200,000円 |
10億円を超え50億円以下 | 400,000円 | 400,000円 |
50億円超え | 600,000円 | 600,000円 |
参考:国税庁|印紙税額の一覧表
確定申告の時期と所得申告について
戸建を売って利益が発生した場合は、「譲渡所得」として所得税や住民税の課税対象になります。
譲渡所得の計算式は、先にも解説した通り【売却価格-取得費(戸建を購入したときの価格)】で計算できます。取得費の中には、戸建を売るために支払った費用もすべて入れられます。
たとえば、戸建をリフォームして販売した場合のリフォーム費用や、解体した場合の解体費用、その他不動産会社に支払った仲介手数料などです。
これらをすべて売却価格から差し引いた結果、プラスになった場合には確定申告を行わなければいけません。
この確定申告期限は、その利益が発生した翌年の2月16日から3月15日までの1カ月間です。この日が土日祝祭日だった場合には前後します。
※2021年の確定申告期限は、コロナウイルスの影響により延長される可能性があります。(参考:確定申告期限の柔軟な取扱いについて – 国税庁)
確定申告期限までに申告をしなかった場合には、追徴課税として、本来支払うべき税金以上の税金を支払わなければいけません。
税金は、「知らなかった」では済まされませんので、十分注意しておきましょう。
なお、確定申告はインターネットからでも受け付けていますので、仕事で税務署へ行けない方などは利用してください。
まとめ
今回は「戸建」を早く売るためのポイントについて解説しました。
ポイントをまとめると下記の通りです。
- 複数の不動産会社へ査定の依頼をし、戸建住宅販売に力を入れている不動産会社を見つけて依頼すること。そして、「売り方を熟知していること」が大切
- 隣との境界を明確にして買い主に「安心」を与えると良い
- 外観や室内すべての「見た目」に気を使うことで早く売れる
- 値引き交渉は良し悪し。必ずしも応じることが正解ではない
- 不動産をとにかく早く売りたいなら、一般媒介契約や不動産買取の検討
- 税金は忘れずにしっかり納税。最悪の場合追徴課税が課されることもある
「戸建の売り方」さえ間違えなければ売りにくいといわれる戸建であっても売れます。
早く売りたいのであれば、今回解説したポイントを押さえておくと良いでしょう。ぜひ参考にしてください。
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