築年数の古いマンションを売却するときのポイントは?売却時の注意点についても解説

築年数の古いマンションを売却するときのポイントは?売却時の注意点についても解説

築年数の古い、いわゆる築古(ちくふる)といわれるマンションが増えてきました。国土交通省が令和元年末に公表したデータによると、10年後には、築後40年超えの分譲マンション総戸数は213.5万戸にも及ぶといわれています。

築古マンションの売却を考えている方のなかには「築年数の古いマンションは、そもそも売れるのだろうか」と不安を抱いている方もいるでしょう。

今回は、築年数の古いマンションが売れにくい理由や、売却できるポイントについてわかりやすくまとめていきます。築年数の古いマンションを売却する上でのポイントを理解できるため、売却をスムーズに運ぶ上でも、きっと役立つでしょう。

築年数の古いマンションとは

築年数が相当経っているマンションは、中古物件としてではなく築古物件として扱われるのが一般的です。ただし、「何年からが築古」といった明確な定義はありません。

一般的には築10年以上経つと、価格が急激に下落し始めます。そして築20年以上になると、新築時より50%~60%ほどの価格まで下がります。それ以降は緩やかに資産価値が減っていくので、築20年以上経過した物件は築古と認識されることが多いです。

こうした経緯から、築年数の古いマンションとは築20年以上経過したマンションであると考えられるでしょう。

築年数の古いマンションが売れにくい理由

築年数の古いマンションは、新築や築年数の浅いマンションに比べて売れにくい傾向にあります。その理由は、下記の通りです。

  • 住宅ローンを組みづらい
  • 管理費や修繕積立金が高い
  • 設備や共用部分が古い
  • 需要が低いエリアにある

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

住宅ローンを組みづらい

築年数の古いマンションの場合、金融機関によっては、

  • 築年数によって融資を受けられない
  • 借入期間が短くなる

といった制限が設けられる可能性があります。制限が設けられることによって、買主が住宅ローンを組めずにマンションの購入を断念するケースは少なくありません。

たとえば、上記のように借入期間が短くなった場合を考えてみましょう。

借入期間が短くなれば、短期間でローンを返済する必要があります。確かに総返済額を少なくできる、早く完済できるといったメリットはありますが、毎月の返済額は高額になりがちです。

しかも、住宅ローンの借入期間は原則延長ができません。「高額な住宅ローンを毎月返済できるのか…」と考えた際に、踏みとどまってしまう方が多いのも無理はないといえるでしょう。

管理費や修繕積立金が高い

住民の人数やマンションの傷み具合によって程度は異なりますが、管理費や修繕積立金が高い点も大きなデメリットの1つです。

一般的にマンションは、10年~15年程度の間隔で修繕積立金が値上がりするといわれています。それが築30年以上ともなると、毎月の負担が大きくなることも容易に想像がつくでしょう。

通常、分譲マンションの場合は居住者が毎月修繕積立金や管理費を支払います。そういった費用を支払うのは、下記のような理由からです。

  • 一定の年数が経てば建物自体の大規模修繕が必要となるから
  • 共用部分を適切な状態に維持するためには管理費が必要だから

ある程度築年数が経過すれば、それにともなって建物自体も劣化していきます。きれいな状態を維持するためにはお金がかかるため、結果として修繕積立金なども高くなる傾向にあります。

設備や共用部分が古い

築年数が長くなるにつれて、設備や共用部分も劣化していきます。特に築年数の古いマンションの場合は、設備や共用部分が古くなっている可能性が高いです。

給湯器やガスコンロといった設備は交換すれば済む話ですが、これが水道管やエレベーターといった共用部分であれば話は変わってきます。共用部分の劣化は個人での交換や修繕が難しく、自分の手でリフォームを行うこともできないからです。

安易に交換や修繕ができない公共部分が古かった場合、マンションの購入希望者は物件に対してマイナスイメージを抱きやすいといえるでしょう。

需要が低いエリアにある

たとえば郊外にあるマンションなどは、立地の面では不利になる可能性が高いといえます。

駅に近いマンションや立地条件が優れている物件は、一般の方にとっても需要が高いものです。一方、交通機関が充実していないエリアだったり、郊外にあるマンションだったりする場合はどうでしょう。

いくら価格が安いといえど、築年数が何十年も経っている家をわざわざ購入する人は少ないと考えられます。需要が低いエリアの場合は売れにくく、マンションの売却も難航する可能性が高いといえます。

築年数の古いマンションでも売れるポイント

築年数の古いマンションだからといって、需要が全くないわけではありません。
築年数の古いマンションでも売れるポイントは、下記の通りです。

  • 都心にある
  • 立地条件が優れている
  • 管理が行き届いている
  • 新耐震基準に適合している

それぞれの項目について、さらに詳しく見ていきましょう。

都心にある

東京都の23区内にあるマンションは、たとえ築40年以上だったとしても需要が非常に高いといわれています。築年数の古いマンションほど、良い立地に建っていることが多いからです。

基本的にマンションは、駅の近くなど利便性の良い場所から建てられていきます。23区内にある主要駅の近くには広い土地が余っておらず、もし新築のマンションを建てるとしたら、元々ある建物を取り壊して建て替えるしかないのです。

立地で考えると、古いマンションの方が優れているといえるでしょう。

立地の良いマンションに住みたいと考えている人は多く、物件を貸し出し賃料を受け取る収益物件としての需要もあるといえます。

立地条件が優れている

マンションは立地の良い場所から建てられていくため、築古のマンションは立地条件が優れている傾向にあります。マンションの価値の大半は土地で決まるといっても過言ではないほど、立地条件は重要なポイントです。

たとえば、高度経済成長期頃に建てられたマンションは、築年数が浅いマンションに比べて駅近で便利なことが多いです。

建物の価値は時間とともに低下しますが、土地の価格は上昇することもあります。人気の駅に近いマンションであれば、多少古くてもニーズはあるといえるでしょう。

また、商業施設が近くにあるマンションも、利便性が高く魅力的な物件といえます。地域を絞って探している方や予算的にリーズナブルな中古マンションを探している方にとっては、立地条件の良いマンションは魅力的な物件だといえるでしょう。

管理が行き届いている

建築後に経過年数が経っていても、しっかりとした管理がなされているマンションは価格が落ちにくく、売れやすい傾向にあります。

築30年ほどのマンションであれば、外観や設備の状況で「マンションの管理がしっかりとなされていたか」がわかります。

築古になるほどこの管理状況は重視される傾向にあり、同じ築年数の物件であっても、しっかりと管理されている物件は問題なく取引されることが多いです。

一方で、管理されていないマンションや、資金不足によって修繕ができていないマンションは敬遠されがちです。管理状況によっても、売却のしやすさは大きく異なるといえます。

新耐震基準に適合している

1981年6月に、建築基準法の耐震基準が強化されました。これ以前に建築確認を受けたマンションは「旧耐震建築物」と呼ばれ、耐震性能が劣る場合があります。

一方で、この時期以降に建築確認を受けたマンションは「新耐震基準」に適合している物件と判断されます。新耐震基準を満たしている物件は、震度6強から7程度の大地震が発生しても倒壊しないレベルの物件です。

地震対策に意識を向けている方も多く、新耐震基準を満たす築年数の古いマンションは一定の需要があるといえるでしょう。

築年数の古いマンションを売却するには

敷く年数の古いマンションを売却するには、下記の点がポイントとなります。

  • 大規模修繕が実施されるタイミングを狙う
  • 築古物件の取引実績がある不動産会社を選ぶ
  • 一括査定サイトを利用する
  • 専門の不動産業者に買取を依頼する
  • 既存住宅状況調査を実施する

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

大規模修繕が実施されるタイミングを狙う

国土交通省では、マンションの大規模修繕を行うタイミングとして12年周期での大規模修繕工事を推奨しています。大規模修繕とは、マンションの老朽化などによる重大な不具合を防ぐため、管理組合が主体となって行う修繕工事のことです。

中古マンションの購入希望者は、大規模修繕が行われた後のマンションに対して好印象を抱く傾向にあるといわれています。チラシに「大規模修繕実施済み」と記載してあるだけで、印象が大きく変わります。

もし大規模修繕が控えているのであれば、そのタイミングを狙って売却活動を行いましょう。スムーズに売却が進む可能性も高いといえます。

築古物件の取引実績がある不動産会社を選ぶ

築年数が古いマンションを売却したいのであれば、売却活動に積極的な不動産会社を選びましょう。不動産会社によって、取り扱う物件の得意不得意は異なるからです。

たとえば、戸建ての売却に精通した不動産会社に物件の売却を依頼したとしましょう。その不動産会社には築年数が古いマンションを売るノウハウが蓄積されていないため、効果的な売却活動をしてもらえない可能性があります。

築古のマンション売却を検討しているのであれば、中古マンションの取り扱いが豊富な不動産会社がおすすめです。実績やノウハウがあるので、売却活動がスムーズに行われる可能性が高いといえます。

一括査定サイトを利用する

もし不動産会社選びに悩んでいるようであれば、不動産一括査定サイトを利用してみましょう。複数の不動産会社に査定を依頼できるので、査定額を比較できるだけでなく、信頼できる不動産会社が見つかる可能性もあります。

不動産会社によって査定額は異なるため、まずは査定結果を比較して、売却相場を把握することが大切です。一括査定サイトを利用して、高値で売却を仲介してくれる不動産会社を見つけましょう。

専門の不動産業者に買取を依頼する

「すぐに資金を調達したい」「早くマンションを売却したい」と考える方には、専門の不動産業者に買取を依頼するという方法もおすすめです。

築古のマンションでもスムーズな売却が可能ですし、売り手が売却後に発覚した不具合や欠陥について責任を負う必要もないからです。

その一方で、一般的な売却方法に比べると価格は安くなる傾向にあります。「少しでも高く売りたい」と考えている方は、不動産会社を仲介しての売却が良いでしょう。

築年数が古いマンションは売れないと思われがちですが、全く需要がないわけではありません。「売れないだろう」と決めつけて買取を選択するのではなく、適した売却方法を選ぶことが大切です。

既存住宅状況調査を実施する

既存住宅状況調査(インスペクション)とは、不動産を売却する際に専門家が行う住宅診断のことです。売却前に劣化の状態や欠陥の有無などがわかるため、トラブルの防止にもつながるといわれています。

築年数の古いマンションを売却する前に既存住宅状況調査を実施することで、購入希望者は安心して物件を購入することが可能です。他にも、物件の価値を高められる、買主が見つかる可能性が高まるといったメリットもあります。

既存住宅状況調査を実施する際には数万円程度の費用が必要ですが、物件を売るときの付加価値にもなるのでおすすめです。

築年数の古いマンションを売却する際の注意点

築年数の古いマンションでも売却は可能ですが、通常の物件を売るときと比べて売却しづらいという点を忘れてはいけません。

最後に、築年数の古いマンションを売却する際の注意点についてお伝えします。意識したいポイントは、下記の通りです。

  • 適正な価格設定を行う
  • リフォームは慎重に判断する
  • 売却のタイミングを誤らない

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

適正な価格設定を行う

築年数の古いマンションであっても、一定数の需要はあります。価格設定を間違えなければ、売却することは可能です。

部屋のなかはもちろんのこと、マンションであれば共用部分の修繕状況なども価格査定における重要なポイントです。共用部分の修繕状況や改修状況まで詳しく調べ、全てを加味した上で適正な売却価格を出しましょう。

相場価格とかけ離れた価格設定で築古のマンションを売り出した場合、購入希望者が相場よりも安い類似物件に流れてしまうことが考えられるからです。

部屋をはじめ共用部分の状況なども総合的に判断した上で、適正な価格設定を行いましょう。

リフォームは慎重に判断する

「リフォームが実施された部屋は、購入希望者にも魅力的に映るだろう」と考える方は多いでしょう。

確かにきれいな物件の方が好まれる傾向にはありますが、必ずしもリフォームが必要とは限りません。リフォームをした分高く売れる保証はありませんし、成約率が高まるわけでもないからです。

マンションの購入を検討している方のなかには、購入予算が限られている方や自分でリフォームしたい方もいます。このような方々にとっては、リフォームされていないマンションの方が好ましい状態です。

リフォームを行うことで売却価格を上げてしまうと、築年数の古いマンションを探している方々のニーズと離れてしまう可能性もあります。リフォームを検討しているのであれば、慎重な判断が求められるといえるでしょう。

売却のタイミングを逃さない

築年数の古いマンションを売却したいのであれば、最適なタイミングを逃さないことが大切です。たとえば、先ほどお伝えした大規模修繕工事の後などは物件が売れやすいタイミングといえます。

もし築古マンションを売却したいのであれば、できるだけ早く行動に移しましょう。特にマンションの場合は、建物のメンテナンスを個人で行うことができませんし、建物の劣化を防ぐことは難しいと考えられます。

築年数の古いマンションを手放そうと考えているのであれば、なるべく早い段階で行動に移すことが大切です。

まとめ

築年数の古いマンションでも、売却は可能です。立地が良いなどの条件がそろえば、一定数以上の需要も見込めます。

ただし、新築のマンションなどに比べると魅力に乏しい面もあり、必ずしも売却できるとは限りません。一般的な物件を売却するよりも時間がかかることは、ある程度覚悟しておく必要があるといえるでしょう。

築年数の古いマンションを売却したいのであれば、「実績のある不動産会社に依頼する」「適切な価格設定を行う」といったことが大切です。

建物の経年劣化を防ぐことは難しいため、売却を決めたのであればまずは一括査定サイトを利用するなど、早めに行動されることをおすすめします。

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