土地の相場の調べ方は?計算式と早見表、役立つ5つのデータを解説!

土地の売却を考えたとき「自分で相場を知りたい」と思う人は多いでしょう。しかし、「調べ方をチェックしてもよくわからなかった」という人が多いかと思います。

実は、土地の相場の調べ方は簡単です。おおよその目安であれば毎年払っている固定資産税が大体わかれば、すぐ計算できます。

その速算方法も含めて「土地の相場の調べ方」をわかりやすく解説していきます。

土地の相場の調べ方は「固定資産税評価額÷0.7」が目安

査定

土地の相場は、おおよその目安が固定資産税評価額÷0.7で出ます。評価額は大体の記憶でかまいません。

たとえば「1,000万円くらいだった気がする」という場合、1,000万円÷0.7で、1,428万円となります。

固定資産税の評価額別、土地の相場早見表

この計算式で、評価額ごとの早見表を作ると下記のようになります。

500万円 714万円
1000万円 1429万円
2000万円 2857万円
3000万円 4286万円
4000万円 5714万円
5000万円 7143万円
1億円 1億4,286万円

あくまで概算ですが「大体の数字をすぐに知りたい」というときには、十分に役立つでしょう。

固定資産税評価額がわからない場合

評価額がわからない場合、毎年の固定資産税から計算できます。固定資産税÷0.014をすればいいのです。

たとえば、今年支払った固定資産税が10万円だったとします。この場合、10万円÷0.014=714万円となります(万より下は切り捨て)。

これでなぜ計算できるかというと、固定資産税は「評価額×0.014」という式で決められているためです。0.014は、パーセントでいうと「1.4%」となります。固定資産税の税率は、全国ほぼ一律で1.4%なのです。

総務省の資料でも「標準税率1.4%」と書かれています)

「固定資産税通知書」が手元にある場合

固定資産税通知書
引用:福岡市

上の画像のような通知書があれば、正確な金額がわかります。赤い四角部分に「課税標準額」という数字があり、これが評価額のことです。

(画像はサンプルなので数字がありませんが、実際は数字が書かれています)

なぜこの計算式なのか

理由は、「固定資産税評価額÷0.7」をすると「不動産鑑定評価額」が出るためです。これは下記の不動産鑑定士協会の記述でもわかります。

固定資産評価額は、不動産鑑定評価による評価額の7割水準をめどに設定されています。
不動産 鑑定レポート 第 6 号 – 奈良県不動産鑑定士協会

上記の太字部分を計算式にすると、下のようになります。

固定資産税評価額=不動産鑑定評価額×0.7

右側の0.7を左側に移すと、下のような式になります。

固定資産税評価額÷0.7=不動産鑑定評価額

「固定資産税評価額÷0.7をすれば、不動産鑑定評価額が出る」ことが、数学的にわかります。

不動産鑑定評価額とは

不動産鑑定評価額とは、不動産鑑定士が鑑定した不動産の価格のことです(参考)。

これは、国交省が「もっとも市場価格に近い」と認める価格です。これは下の記述でわかります。

不動産の鑑定評価とは、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格(後略)
不動産鑑定評価基準 | 国土交通省

つまり、市場価値=相場=不動産鑑定評価額なのです。完全にイコールではないものの、非常に近いといえます。

MEMO
実際の市場価格は「市場に出してみてはじめてわかる」ものです。しかし、出す前の段階で推測できる市場価値としては「不動産鑑定評価額がもっとも近い」のです。

不動産鑑定評価額は「リアルな価格」である

不動産鑑定評価額について「役所が決めた、実態を反映していない金額」と思っている人もいるかもしれません。しかし、不動産鑑定評価額は下記のようなデータを考慮した「非常にリアルな価格」です。

  • 周辺の取引事例
  • その不動産の利用価値
  • 賃貸した場合の収益性

上記のデータを考慮していることはSUUMOの説明でわかります。そして、国交省が市場価値を表示する適正な価格と位置づけていることも、先に説明した通りです。

土地の相場にはイレギュラーな要素が少ない

さらに、今回のテーマは「土地」です。土地は建物と違い、価値を変動させるイレギュラーな要素が少なくなっています。そのため建物以上に鑑定評価額が、市場の相場に近くなるのです。

建物の場合は、イレギュラーな要素が多くなります。価値の高いマンションでも、使用状況の悪い部屋は査定の価格が下がります。逆に、古いマンションでもトイレなどが自主的にリフォームされている部屋なら、価値が上がります。

建物にはこうした「個別性」があり、鑑定評価額と実際の査定価格が大幅にずれることもあります。しかし、土地でこのような個別性は少ないものです。

  • 大量の不法投棄をされている
  • 不幸な事件が起きた
  • 土地の隣の家がゴミ屋敷である

上記のように変わったパターンでなければ、土地の価値は大体鑑定評価額に近づくのです。このため、今回説明している「固定資産税評価額÷0.7」の計算式で、おおよその相場を速算できます。

土地の相場を調べるために役立つ5つのデータ

土地の相場を調べる上では、下記の5つのデータも役立ちます。特に役立つのは最初の2つの取引事例と類似物件情報です。

データ 意味
取引事例 実際に成約した近隣のデータ
類似物件情報 今売り出している、似たような物件のデータ
公示価格 政府が決めたそのエリアの地価
相続税評価額 相続税を決めるときの評価額
時価(実勢価格) 市場での実際の価格(相場のこと)

それぞれのデータについて詳しく説明していきます。

取引事例

取引事例は実際に成約した事例です。これは、国交省の不動産取引価格情報検索でわかります。下のような地図から、自分の土地の近隣の事例をチェックできます。

地図

この取引事例は不動産鑑定評価額でもある程度計算されているものです。つまり「固定資産税評価額÷0.7」の式の中に、上記のデータもある程度含まれています。

では、何のためにわざわざ追加で調べるのかというと「今年のデータ」を見るためです。鑑定評価額は毎年更新されますが、今年のデータは反映されていない部分があります。

もちろん、土地の価格は1年でそれほど変わるものではありません。それでも、「現実の相場×直近のデータ」という2点で、上記のデータベースは見る価値があります。

類似物件情報

これは「実際に売り出している物件」です。誰もが不動産を売買するときに見るデータです。「普通のデータ」ではありますが、市場とは普通のデータの集まりであり、これもそれなりに意味を持ちます。

近隣のデータはもちろん「条件が似ている、やや遠くの物件」なども意味があります。わかりやすい例としては、自分の土地が旗竿地であれば、近隣の土地よりも遠くの旗竿地のデータが参考になる可能性があります。もちろん、これは過去の取引事例でも同じです。

実際に市場に出ている情報は、あらゆるサイトで調べられます。HOME’SSUUMOといった一般向けのサイトに加え、下の画像の不動産ジャパンもおすすめです。

不動産ジャパン

不動産ジャパンは全国の9割を超える不動産会社の物件情報が集まっているサイトです。正確には、下記の4団体が物件情報を提供しています。

  • (公社)全国宅地建物取引業協会連合会
  • (一社)不動産流通経営協会
  • (公社)全日本不動産協会
  • (一社)全国住宅産業協会

土地のデータも豊富にあり、たとえば東京都世田谷区であれば、執筆時点で「503」の物件があります。

土地

上の画像のように、普通の物件情報サイトと同じ形で、見やすくまとめられています。このように「今、実際に売られている土地」のデータを見ることで、相場をよりつかみやすくなるでしょう。

公示価格

公示価格とは、毎年国が決める標準地の価格です。もっと簡単にいうと「国が決める土地の価格」です。

標準地は全国の各地で膨大にあります。土地近くの標準地を探すには、まず国土交通省地価公示という、下の地図のページを開きます。

地図

この地図から絞り込めば、最寄りの標準地が見つかります。たとえば、弊社(株式会社日刊現代)がある東京都中央区の場合、94の標準地があります(2020年時点)。

この中で、弊社の所在地と同じ「東京都中央区新川1丁目」を探すと、「中央5-30」という標準地が該当します。それを見ると、下のようなデータが書かれています。

データ

主なデータを抜粋すると、下のようになります。

価格 1㎡あたり114万円
地積 138平方メートル
給排水等状況 ガス・水道・下水
用途区分 商業地域、防火地域
建ぺい率、容積率 80%、500%
都市計画区域区分 市街化区域

こうして近くの標準地の公示価格を調べることも、相場のヒントになります。ただ、標準地は東京都の中央区でも94カ所と、それほど多くありません。そのため、あくまで「補足としてのデータ」と考えてください。

相続税評価額

相続税評価額は、相続税や贈与税を計算するときの元となる金額(価額)です。この使い方は、固定資産税評価額とほぼ同じ。固定資産税の方では「÷0.7」をしましたが、相続税の方では「÷0.8」をします。まとめると下のとおりです。

用いる評価額 土地相場の計算式
固定資産税評価額 評価額÷0.7
相続税評価額 評価額÷0.8

「数字が違うだけなら、固定資産税の方だけでいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、両方計算したら違う数字が出るというケースもあります。その場合は意味があるのです。

双方の数字がたまに食い違う理由は何なのでしょうか。これは0.7や0.8という数字は、完全に固定されているわけではないためです。ほとんどの土地の評価額は、下のようなやり方で決定されます。

  1. 土地の鑑定評価額(市場価格に近いもの)がある
  2. 「×0.7」で、固定資産税の評価額を出す
  3. 「×0.8」で、相続税の評価額を出す

しかし、すべての評価額がこのやり方で出されるわけではありません。0.7や0.8といった数字が、微妙に前後することもあるのです。そうなると、固定資産税と相続税、それぞれから計算した相場が食い違うことがあります。

食い違った場合は「その中間をとる」などの方法で、相場を推測します。

時価(実勢価格)

時価とは実際に売れるであろう値段です。これは、国税庁の「財産評価基準通達1」で定義されています。この定義を一文でまとめたものは、下のとおりです。

「時価とは、課税時期において、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額をいう。」
財産の評価 | 国税庁

この「売れるであろう価格」がいくらかというと、取引事例や類似物件の価格がそれに近いといえます。わずかに違う部分もあるため、ここでは別要素として紹介しています。

土地の相場に影響する5つの要件

査定

土地の相場はあらゆる要件によって左右されます。ここでは、その中でも代表的な5つの要件について解説します。

立地条件

立地で特に重要なのは交通の便と生活インフラです。交通の便については、駅からの距離が近く、さらにその駅が重要な駅であればあるほど便利になります。バス停についても同じです。

生活インフラについては、スーパーやショッピングセンター、ドラッグストアやコンビニなどが、近くあると特に便利なものです。ファミリー世帯ではさらに、学校や幼稚園・保育園、大きな公園や病院の近くといった立地が好まれます。

接道

道路とどのように接しているかも、土地の相場を大きく左右します。基本的に、接している部分(間口)が広いほど良いものです。

接道の形が特に極端なケースとして旗竿地が挙げられます。下の画像のように、旗のような形になっている土地です。

旗竿地

このように接道条件が悪い土地は価格が下がります。逆に接道面積が広い土地は価値が上がります。

土地の面積・形・現況

面積については、基本的に広いほど価値が出ます。利用用途が広がることに加え、狭く使いたいのであれば一部を切り取ればいいためです。

形については、正方形や長方形に近い整った形状である「整形地」ほど価値が上がります。逆にそうでない「変形地」は価格が下がりやすい土地形状です。変形地の主なパターンでは、下のものです。

三角地 三角形の土地
旗竿地 細い通路の奥に土地が広がっている、旗竿のような形の土地
囲繞地 周囲を他人の土地に囲まれている土地
狭小地 極端に狭い土地

現況については、草が生い茂っている、不法投棄がされている場合などはマイナス評価になります。逆に柵を立てるなどの管理が行き届いている土地はプラスで評価されます。その他、より根本的な現況として家屋があるか、農地として使われているなどの点も相場に影響します。

周辺環境

周辺環境は立地条件に似ていますが、ネガティブな要素は主にこちらで語られます。騒音や悪臭、治安などの問題が主なものです。

近くに工場がある、大きな幹線道路が走っているなどの要素は、住宅地としてはマイナスになります。逆に、これらは商業地や工業地として有利な条件です。

治安については、繁華街や風俗街の近辺エリアはマイナスとなります。逆に、これらの地域は経済レベルが高く交通の便が良いため、その点でプラスとなることもあります。

人気度

ここまでの条件とは関係のないブランド的な人気もあります。いわゆる「住みたい街ランキング」の上位のエリアや、高級住宅地として知られるエリアは、人気度が高いものです。

地域のブランドが短期間で変化することはありませんが、台風などの災害に弱いことが露呈したときには急落することはあります。逆に、そうした災害に強いことがわかった土地は価値が上がります。

まとめ

土地

土地の相場は「固定資産税評価額÷0.7」で速算できます。さらに近隣の取引事例や、今売り出し中の物件も調べることで、よりリアルな相場を把握できます。

このように相場を調べることはできますが、最終的な相場は複数の業者の査定を受けてはじめてわかるものです。複数社の査定を簡単に受けるには、一括査定サイトを利用するのがおすすめです。

一括査定は売却を決めていない状態でも受けることができます。まずは自身が持っている土地の正確な相場を調べるためにも、気軽に一括査定を受けてみましょう。

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