空き家を処分する方法は?処分する際にかかる費用や税金について解説!

空き家を処分する方法は? 処分する際にかかる費用や税金について解説!

地方での不動産の価値は年々下落しており、老朽化した空き家の売却は非常に難しくなっています。「親から相続した空き家をどう処分したらいいかわからない…」と悩んでいる方も多いでしょう。

近年、空き家が適切に処分されることは自治体も望んでいるので、解体やリフォームに対する補助金など、さまざまな支援制度が用意されています。このような支援制度や税制上の特例も含め、空き家を処分する方法について解説します。

空き家を処分する2つの方法

空き家

空き家を処分する方法は大別して2通りです。ここでは、2通りの方法について解説します。

更地にして売る

もっとも買い手が付きやすいのは、更地にして売る方法です。建物の解体費用が必要になるので、金額を把握する必要があります。

解体費用があまりに高いようであれば、「価格を極端に下げてそのまま売る方がいい」というケースもあるでしょう。解体費用は建物の大きさや構造、立地条件などによって千差万別であるので、まずは解体業者から見積もりをとる必要があります。

家を残したまま売る

建物を残したまま売る方法は、もっとも手間がかかりません。解体費用が出せない場合や解体すると逆に高くつく場合は、このやり方がいいでしょう。

更地で売る方法とどちらがいいか比較するには、まず「家を残したまま売るときの目安相場」を把握する必要があります。おおよその相場を把握することで、更地にするのとどちらが得か、正確に判断できます。

おおよその相場については、不動産の一括査定を利用して把握するのがいいでしょう。業者が実際に机上査定(書類査定)をして出す金額なので、実際の相場にある程度の近い金額が出ます。

(不動産一括査定については下記の記事で詳しく解説しています)

不動産一括査定のメリットとデメリットとおすすめの3つのサイトも紹介!

空き家を処分する際にかかる費用は?

解体

空き家を処分するとき「費用がいくらかかるか」は特に気になる部分でしょう。ここでは、空き家の処分でかかる費用と金額について解説します。

建物の構造ごとの解体費用相場

建物の解体にかかる費用の相場は、建物の構造ごとに下記の金額になっています。

建物の構造 1坪あたりの費用
木造 4万円~5万円
鉄骨造 6万円~7万円
鉄筋コンクリート造 6万円~8万円

一戸建ての平均坪数は30坪~40坪程度です。上記の坪単価をもとに、30坪と40坪での合計金額の目安を出すと、下記のとおりです。

構造 30坪 40坪
木造 120万円~150万円 160万円~200万円
鉄骨造 180万円~210万円 240万円~280万円
鉄筋コンクリート造 180万円~240万円 240万円~320万円

実際の解体費用は坪数と構造だけでなく、立地条件などさまざまな要素によって変動します。そのため、明確な相場は決まっていません。公的なデータでは、首都圏の平均的な単価が下記のように紹介されています。

解体等の費用は、神奈川県(2009)で設定された、首都圏の平均的な単価(木造:6.1 万円/坪、非木造:8.0 万円/坪)を採用した。
引用:【PDF】経済被害の想定 | 川崎市

上記のデータは首都圏の数値であるので、先に紹介した坪単価の相場よりもやや高くなっています。いずれの数値を見る場合も、ここで出した金額はすべて大雑把な目安と考えてください。

売却でかかる税金と手数料一覧

税金

空き家の売却でかかる税金と手数料を一覧にすると、下記のとおりです。

費目 金額と料率
印紙税 400円~20,000円
登録免許税 固定資産税評価額×2%
譲渡所得税 売却益の15.315%~30.63%(ほぼ非課税)
住民税 売却益の5%~9%(ほぼ非課税)
仲介手数料 売買金額の3%~5%

それぞれ詳しく解説していきます。

印紙税

不動産の売買契約書は、取引金額が高額であるので「課税文書」に該当します。そのため、契約金額ごとに下記金額の印紙税を納付する必要があります。

契約金額 印紙税額
10万円超え~50万円以下 400円
50万円超え~100万円以下 1,000円
100万円超え~500万円以下 2,000円
500万円超え~1,000万円以下 1万円
1,000万円超え~5,000万円以下 2万円

空き家の売買における契約金額は高くても1,000万円以下に収まることが多く、印紙税額についてはさほど大きな負担になりません。

登録免許税

法務局で登記簿を書き換えるための手数料です。空き家を売る場合は所有権移転登記の手続きを行います。

この場合の金額は「固定資産評価額×2%」です。たとえば空き家の評価額が300万円なら、6万円が登録免許税です。

譲渡所得税

空き家を売却して利益が出たら、その利益に対して譲渡所得税が課されます。この「利益」というのは「不動産を取得したときの金額」を差し引いたものです。

たとえば、3,000万円で建築した家を、空き家として売ったときの金額が500万円だったとします。この売却は、単純計算で2,500万円の赤字です。そのため、このケースで譲渡所得税は課されません。

もともと居住用不動産の売却は、大部分のケースで「買ったときより安くなる」ものです。空き家は特に高値での売却が難しいので、譲渡所得税がかかるケースは非常に少なくなります。

譲渡所得税の税率は15.315%~30.63%です。建物を取得してから5年以内で売るか、5年超えで売るかで税率が代わります。復興特別所得税の税率が加算されているので、数字がやや複雑ですが、本来は15%~30%とシンプルな数値です。

参考:土地や建物を売ったとき | 国税庁

住民税

住民税も譲渡所得税と同じ原理で課税されます。譲渡所得税は国に支払う国税、住民税は都道府県と市区町村に支払う地方税です。

住民税には復興税が加算されないので、税率は5%~9%とシンプルです。譲渡所得税と同様、空き家の売却で課税されるケースは極めて少ないといえます。

仲介手数料

不動産会社の仲介によって空き家を売却した場合、不動産会社に支払う仲介手数料が必要になります。仲介手数料の金額は、契約金額に応じて下記の上限が法律で定められています。

契約金額 上限手数料率
200万円以下の部分 5%以内
200万円超え~400万円以下の部分 4%以内
400万円超えの部分 3%以内

上記の料率はあくまで法定の上限です。そのため、上記より低い料率になることもありますが、ほとんどの業者は上限いっぱいで料率を設定しています。不動産売買の仲介手数料については、下記の記事で詳しく解説しています。

不動産仲介手数料の相場は?仲介手数料を安くする方法についても解説

空き家の処分が不要になる相続放棄とは?

相続放棄

相続放棄をすると空き家の処分が不要になります。ここでは、空き家の相続放棄について解説します。

空き家も含めてすべての遺産相続を放棄する

空き家だけでなく、預貯金や自動車などすべての遺産の相続を放棄すれば、空き家の相続放棄が認められます。相続放棄は、特殊なケースを除けばほぼ認められるものです。

ただし、相続放棄をしても自治体が空き家を引き取ってくれるとは限りません。「誰も相続したくないような空き家」は、自治体も欲しくないからです。

そのままで売れない空き家は自治体が撤去していますが、更地の売却でその撤去費用を回収できるケースは、わずか1割程度といいます。

参考:自治体の空き家強制撤去、費用回収できたのはわずか1割 | 日経ビジネス

上のような実情があるので、相続放棄をしても自治体が引き取ってくれないケースはしばしばあります。

相続放棄をしても管理責任が残るケースがある

自治体が空き家を引き取ってくれなければ、相続放棄をしても管理責任が残ります。これは民法940条第1項に規定されているルールです。

(相続の放棄をした者による管理)
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。
引用:民法第940条 | e-Gov

自治体が空き家を引き取ってくれるケースは少ないので、相続放棄をしても「自分で管理」することになります。弁護士などを相続財産管理人に選任すれば、管理責任者の交代は可能です。しかし、この相続財産管理人に対して支払う報酬が必要になります。

毎月毎年報酬を払い続けることを考えると「自分で相続して、格安か無料で早く処分する方がいい」というケースが多いものです。

空き家処分でもらえる4つの補助金

空き家を処分するための解体や、売却するためのリフォームなど、あらゆる作業に対して行政からの補助金が出ます。

それぞれの都道府県や市区町村で異なる制度が用意されているので、空き家をお持ちの地域で制度を調べてみるといいでしょう。
ここでは、補助金の実例を一部紹介します。

解体費用助成

解体

空き家の解体費用に対する助成は多くの自治体で見られます。上の画像は、東京都福生市のものです。

戸建住宅では1戸あたり30万円、長屋や共同住宅では、1棟あたり100万円が助成されます。主な条件はおおむね1年以上、空き家になっていることです。家屋はもちろん、門は塀、自転車置場などの構造物も対象です。

耐震改修支援

あいち耐震改修ポータルサイト

木造の空き家に対して行う耐震工事の費用が助成されるものです。旧耐震基準で建設された木造住宅が対象です。上の画像は愛知県建築物地震対策推進協議会のホームページのものです。

空き家の処分で耐震改修をするのは「修繕した状態で売る」というパターンが該当します。たとえば古民家など建物の骨格に価値がある場合は、このように耐震改修をしてから売るのもいいでしょう。

リフォーム支援

空き家リフォーム

空き家のリフォーム費用に対する助成金もあります。上の画像は岡山県総社市のものです。工事費用の2分の1が助成され、上限は30万円となっています。

条件として「空き家をリフォームして5年以上定住すること」が挙げられています。つまり、空き家を売る方はこの補助金をもらえません。

しかし、購入希望者がリフォームの必要を感じていた場合に、こうした補助金を紹介して購入を後押しすることはできます。購入希望者にとっても、定住することを決めているのであれば、こうした補助金をもらうことにはメリットしかありません。

「買い手側に役立つ補助金」も知っておくことで、購入希望者との交渉もよりスムーズになるでしょう。

建て替え費用助成

建て替え補助金

空き家を解体した後、さらに新築をする「建て替え」に対しても補助金が出ます。上の画像は、福岡県田川市のものです。新築した家に10年住む、田川市内の業者に解体を依頼するなどの条件があります。

これもやはり、買い手との交渉がスムーズになるものです。売り手としては、解体業者の指定のみ注意する必要があります(隣の自治体の業者に依頼する方が、トータルで安くつくこともありえます)。

空き家特例(3,000万円特別控除)が適用される4つの条件

空き家

空き家の売却では「空き家特例」と呼ばれるルールを適用できるケースがあります。空き家特例とは「空き家を売って得た利益について、3,000万円までは非課税」となるものです。

空き家特例は俗称で、正式名称は「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」といいます。ここでは、空き家特例が適用される4つの条件をまとめます。

参考:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例 | 国税庁

亡くなった方(主に親)が一人で住んでいた

亡くなった親や家族がその家(空き家)に一人で住んでいた場合のみ、特例の対象です。この特例は、あくまで空き家の増加を防ぐための特例であるからです。まだ住む方がいるなら空き家ではないので、国としては特例として認められません。

売却金額が1億円以下である

資産が多い家庭で特例は必要ないので、売却金額にも制限があります。これは利益ではなく、あくまで「売却の金額」です。2億円で買った家を1億1,000万円で売った場合、利益は0円でも売却金額が1億円を超えているので、対象外です。

昭和56年5月31日以前に建築した建物である

昭和56年5月31日までは、旧耐震基準が適用されていました。これが適用された古い家屋は、今の耐震基準で建てられた家屋より脆弱です。倒壊のリスクが高いので、行政が撤去を促進しています。

耐震リフォームか取り壊しをして売却する

この理由は、上の段落の耐震基準による理由とも共通します。行政としては危険な建物をゼロにしたいので、危険な状態のままで売却されても困るわけです。耐震リフォームか取り壊しによって「安全な状態」にしてから売った場合のみ、特例を認めています。

上記の理由から4つの条件が設定されおり、この4条件を満たせば「空き家特例」が適用されます。

まとめ

空き家を処分する方法は「更地で売るか、そのまま売るか」です。どちらが得かはそのまま売るといくらになるのかを知ってからでなければ判断できません。

そのまま売る場合の金額を把握するには、やはり複数の業者から査定を受けるのがベストです。複数の業者から査定を受ける上で、もっとも簡単な方法は一括査定サイトを利用することといえます。

一括査定サイトには、イエウールHOME’Sなど便利なものが多くあります。いずれも最短60秒などの短時間で終わる、簡単な情報入力で複数社の査定を受けられるサービスです。

空き家の売却に対応している各地方の優良業者も多く参加しています。完全無料で利用できるので、まずは一度、気軽に査定を申し込んでみるといいでしょう。

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